RSウイルス感染症
RSウイルスによる細気管支炎
RSウイルス(RS-virus)は,Respiratory Syncytial Virusを略したものです。Respiratory は「呼吸の」と言う意味で,呼吸器系に感染するのウイルスです。このウイルスに感染すると高熱と咳が出ますが、特に乳児ではゼロゼロしたり、哺乳力低下、呼吸困難など重症化し易く、入院を要する事が多くなります。つまり乳児に細気管支炎・肺炎を引き起こす代表的なウイルスです。流行は晩秋から早春が中心で、潜伏期は4日前後、治癒までの平均期間は約8日間です。再感染もありますがだんだん症状は軽くなります。
シナジスについて
未熟児や先天性に心臓や肺に障害のある人はRSに罹患すると重症化しやすくなります。これを予防するため、国では公費でこれらのハンディキャップを持った人に対して、乳児期にシナジスの投与を行っています。一般の人は対象になりません。
シナジスはRSウイルスに対する特異的抗体で、RSウイルスが体内で増殖することを防ぐことにより、RSウイルス感染による重篤な下気道疾患の発症を抑制します。