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快便の秘訣 「便秘でお悩みの方へ」

[2019.11.06]

 

便秘で苦しんでいる方が多くおられることと思います。

便秘の原因は様々あります。普段食べている食事の内容、質、睡眠などの生活のリズム、諸々のストレスなど精神的な面そして体質つまりその人の腸に暮らしている腸内細菌の働き(腸内細菌については面白い知見が沢山出てきましたので後程エッセイを書きたいと思います)などなど様々あります。そのため対処方法も多岐にわたり、特に薬物療法はその最たるものです。マルツエキスやセンナなどの市販薬、大黄甘草湯などの漢方薬、ラキソベロン、マグミットなどの緩下剤、モビコールなど様々な薬があります。皆さんは何に留意し便秘に対応していますか。

皆さんが気付かないことで、便秘を改善するために非常に大切なことがあります。それは排便のメカニズム、解剖学的な腸の構造を正しく理解し、排便をスムースに行うことです。排便を制御する機構として3つの筋肉が関与しています。排便する時は、腸の蠕動と肛門内括約筋(これは不随意筋で、自分では制御できません)と肛門を開閉する肛門外括約筋(随意筋)の共同作業で排便が行われます。一方、人にとって大事なことは立っている時や普通に生活している時に、便が出ないようにすることです。その為には肛門外括約筋の力だけでは不十分で、もう一つ重要な役割を果たす肛門挙筋(特に恥骨直腸筋)が関与しています。この筋肉は恥骨に付着しており、直腸を前方へ折り曲げます。そして尾骨に付着している肛門外括約筋が直腸を後方へ折り曲げます。この二つの筋肉の働きにより、図のように「く」の字に折り曲げられます。この結果、直腸が二つに折れ曲がり、強い腹圧がかかっても便の下降を阻止することができます。

 

 排便をする時の理想的な姿勢は、洋の東西を問わず和式トイレで行う姿勢です。足を折り曲げお腹に近づけ、体を前傾する姿勢です。この姿勢をとることによって、先程示した直腸の「くの字」が解消され、真っ直ぐになり、便の排出をスムースに行うことができます。

最近では、家庭でも、公共の場でもほとんど洋式トイレになっています。洋式トイレに座っただけでは、足を少し曲げただけですので、出るものも出ないのは当たり前のことです。便秘や排便でお困りの方は、洋式トイレの前に台座を用意して、足が高くなるようにし、体を少し前傾することによって、理想的な姿勢に近づけることができます。是非一度試してみてください。このやり方は、便秘の人だけでなく,痔(色々のタイプがありますが)で苦しんでいる方、普段はなんでもなく、時々出にくくなる方など多くの人に役立ちますので、周りの皆さんにも伝えていただければ幸いです。

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