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腸管出血性大腸菌感染症 O157

 

ほとんどの大腸菌は人や動物などの大腸に住み、通常は害を与えません。しかし大腸菌の中には食中毒などの原因となるものがあり、これらを総称して病原大腸菌と呼んでいます。このうち、O157、O26、O111などは、腸管内でVT1、VT2の2種類(あるいはいずれか1種類)のベロ毒素という出血性下痢の原因となる毒素を作るため、「腸管出血性大腸菌」と呼ばれます。この大腸菌に感染しても健康な成人では症状がなかったり、単なる下痢で終わることも多いようです。しかし、乳幼児や小児、基礎疾患を有する高齢者では腹痛や血便などの出血性腸炎のほか、まれに急性腎不全、血小板の減少、貧血などの症状を呈する溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こすことがあります。1996年(平成8年)に全国で大きな社会問題となった腸管出血性大腸菌感染症もO157によるものでした。

腸管出血性大腸炎感染症の特徴

感染力が強い

赤痢(細菌性赤痢)に近い感染力を持っており、通常の細菌性食中毒は細菌を100万個単位で摂取しないと感染しませんが、腸管出血性大腸菌は100個程度の菌量で症状が出るといわれています。

猛毒を産出する

ベロ毒素(志賀毒素)と呼ばれる猛毒を産生し、細胞でのタンパク質合成を阻害し、細胞を破壊します。この毒素によって、乳幼児・子ども・高齢者では、「溶血性尿毒症症候群(HUS)」を引き起こし、腎臓や脳に重大な障害を生じさせ、時には死に至ることもあります。

潜伏期間が他の食中毒に比べて長い

通常の細菌性食中毒の潜伏期間が数時間から3日程度であるのに対して、腸管出血性大腸菌は4日から8日と長いのが特徴です。

主な症状と病状経過

無症状な潜伏期(4日から8日)を過ぎると、激しい腹痛と水様下痢で始まり、1~2日後にはベロ毒素によって大腸の粘膜が傷められ血便が出はじめます。ほとんどの方は軽傷で終わることが多いですが、人によっては さらに、重症化し「溶血性尿毒症症候群(HUS)」や脳障害を併発することがあります。HUSは、下痢が始まってから、約1週間後に、赤血球の破壊による、溶血性貧血、血小板の減少及び急性腎不全などの症状が現れます。重症の場合は死亡することがあります。

予防方法

腸管出血性大腸菌は、主に牛などの哺乳類の腸管に生息していますので、精肉や、糞便に汚染された食品が主な原因となります。また大腸菌は、熱に弱く、石鹸や洗剤で除菌できますので、ノロウィルスのように、次亜塩素酸ソーダを使う必要ありません。つまり、食品の十分な加熱と洗浄、手洗いの励行、調理器具の使い分けと消毒、早めの受診などが重要となります。詳しくは厚生労働省のホームページを参照ください。

 

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