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知らないうちに周りの人に迷惑をかけていませんか? その二

[2019.06.20]

 前回は柔軟剤などが発散している香りが周りの人に健康被害を及ぼしている話でした。今回は香料自体が、いろいろな毒性を持っており、周りの人だけでなく本人にも害を及ぼしているという話です。

日本では、香料をはじめ、染料、食品添加物などの規制が非常に緩く、ほぼ野放しの状態だそうです。一方、EUではこれらに対する規制が厳しく、例えば香料に関しては、26種の香料をアレルギー物質(発ガン性、変異原性、生殖毒性を含む)として表示する義務があります。(日本や米国では表示義務はない)そのアレルギー物質が配合成分なのか不純物なのか天然由来微量成分なのかも特定し、肌への残留濃度に応じて表示義務の有無が違ってくるという厳しいさです。米国では2010年デトロイト市で、市職員が同僚の香料で呼吸困難に陥ったことがきっかけに、市職員に香料の使用を禁止しました。その流れを受け、全米に香料使用自粛の動きが広がってきました。カナダでも香料使用自粛の動きは活発で無香料宣言をする企業・学校・病院が増え続けています。

香料の99%以上が人工的に合成された物で「合成ムスク類」と言われています。これらにはDNAを傷つける変異原性の強いものが多くあり、変異原性の強い化学物質は、高い確率で発がん性を有します。しかも、合成ムスク類は分解しにくい性質のため、人体への蓄積が懸念されます。日本では300種類以上の合成ムスク類が認可されており、その中から10種類くらいを選び、独自の匂いを作っています。これは企業秘密で表示の義務はもちろんありません。

今年の3月、NHKの「ためしてガッテン」で、衣類のしわを伸ばす裏ワザとして、柔軟剤を高濃度で使う方法が紹介され、香害に悩まされている方々より、番組に対する苦情が殺到しました。その報道の中で、香料の毒性はもちろんですが、柔軟剤そのものが毒性を有することが紹介されていました。

少し長くなりますがその報告を引用します。「「花王の柔軟剤「フレア フレグランス」を例にとると、有効成分は(1)エステル型ジアルキルアンモニウム塩だ。このほか(2)ポリオキシエチレンアルキルエーテルや(3)香料が含まれている。このうち、(1)は「陽イオン型」の界面活性剤で、洗剤などに使われる「陰イオン型」の界面活性剤より皮膚などへの刺激性・毒性がはるかに強い。(1)は別の分類では「第4級アンモニウム化合物」になる。この化合物は生物の細胞膜を不安定にして細胞を殺す作用をもち、アレルギー・皮膚炎・角膜障害などの原因になる。(2)は、政府が〈人の健康を損なうか、動植物の生育に支障を及ぼすおそれ〉がある物質と判断し、監視している462物質の一つだ。(3)の「香料」は、3000以上もある成分(物質)からメーカーが複数(数種~数十種)を選んでブレンドした調合香料(個々の物質名は明らかにされない)。香料成分の中には、アレルギーや喘息の原因になる成分、ホルモン攪乱作用や発がん性のある成分などのあることが明らかになっている。」」

皆さんの生活を豊かにするはずの香料が、周りの人だけでなく、自分自身にも害を及ぼしていることが理解していただけたのではと思います。合成されたよい香りもタバコの煙の害と同じように考え、使用する前に一考していただければ幸いです。

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