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心に残るゴルフ 其の三

[2002.10.20]

秋晴れの天候と優しくおかしなパートナーに恵まれ長岡市医師会ゴルフコンペに優勝することができました。出場の皆様ありがとうございました。今回は3回目で書くねたが少なくなりましたので私事について書いてみました。

 

「ホールインワン」

ゴルフを愛好する人はシングルになりたい、エージシューターの栄誉を受けたい、アルバトロスを出してみたい、県アマで優勝したい、その他様々な無いものねだりの夢を持っているものです。しかしこの中で初心者からベテラン、老若男女全てのゴルファーに叶う夢があります。それがホールインワンです。ホールインワンは心の準備のないまま突然やって来ます。本人はただただ呆然、周りはお祭りもしくは一種のしらけムード。望むものと望まないもの、偶然のアクシデントによるもの、実力で勝ち取ったものなど実に様々な状況とリアクションがあります。

 

実は私もホールインワンをやってしまったことがあります。誠に悲劇的なことであり、また良い思い出でもありました。今から約3年前、所は苫小牧ゴルフクラブ南コース七番ホール。札幌で開催された小児保健学会の合間を縫って?秋晴れの中、北海道の自然を満喫しておりました。池越えのショートホールにやってきてオーナーの私は120ヤードの距離と木の葉を巻き上げる風を読み一度持った9番アイアンを捨て、8番アイアンでショット。打球は池を越えやや大き目のグリーンにオン、そして旗に向かって10ヤードほど転がり視界から消えた。同伴の若ちゃんが「入ったんじゃない」と大喜び。みんなしてお祭り騒ぎでグリーンヘ。カップを覗き込むと奥にボールがあった。ボールが覗き込む僕たちを不思議そうに見ているように思えた。

 

帰宅後、妻に事の顛末を伝えると「よかったわね。ゴルフ続けてきた甲斐があったわね」「んーんこれはすごい事をしたのか」と一人納得していると「ホールインワン保険、北越の大川さんがいなくなつてもうやめたと思うよ」まあしょうがないかと言いつつやっぱり後悔。相談の結果、厄落としと我が家の愛犬をデビューさせることを兼ね「甚兵衛」と「あき」の仲良く写った写真をラベルにした特注のワインを作り、ゴルフを通じて知り合った方々へお送りした。翌年の正月には小児科恒例の「満月の会」 でみんなから記念の金貨を贈られ、お祝いをしていただいた。実に幸せでした。その乗りで翌年の秋に同ゴルフ場で記念コンペをすることとなつた。

 

札幌へ出発する前日、妻がNHKで放映している「とあるビデオ」を見ながらストレッチをしていた。私もついそのストレッチに嵌ってしまい初めてでありながら第一体操から第四体操まで全てを試みてしまった。第四体操は「大腿の前の筋肉を柔らかくし、ひざ、足首の関節のゆがみを矯正する」体操で正座したまま体を後ろに倒すストレッチでした。私のように骨太で筋肉質の者にとっては非常にきついストレッチでしたが痛みがある訳でなく何回かチャレンジして俺にもできると気をよくして就眠。真夜中右膝の痛みで目が覚める。初めての経験であった。すぐにストレッチによる靭帯の損傷?と悟ったがすでに手遅れ。痛み止めの湿布とボルタレンを飲んでようやく痛みが和らぐ。急に膝が痛くなり行けなくなったとは言い出せず、足を引き摺りながら札幌へ出発。痛みのため膝が上がらず摺り足で歩くとほんの少しの段差でもつま先がぶつかり、その度に激痛が走った。年を取るとバリアフリーが如何に大切かを身をもって体験した。この状態でゴルフができるのかと危ぶまれたが、膝のテーピング、痛み止めの湿布とボルタレンそしてカートを駆使して前半50台、後半、例のショートホールまで1オーバーできて、ここでトリプルを打ち無事終了。翌日は無理やり取っていただいて文句も言えないが、北海道にあるまじきひどいひどいひどいコース。朝の第一組のスタート。左ドッグレッグの狭いミドル。バッフィーでナイスショットし、ショートアイアンでパーオン。落差20ヤードもありそうな二段グリーン。ファイブパット。少し切れ掛かっているところへ突然雷が鳴り出し、雨が降ってきた。「危ないからやめよう」キャディは知らん顔。茨城ならすぐに避難所へ行く状況。その後もショットもパットもめちゃくちゃ。そしてワンオンできるミドル。三人に一人がツーオンするロング。コースもめちゃくちゃ。バブルの落とし子でクラブハウスだけはご立派。極めつけは、クラブを送るため宅急便の手続きをしている間に、傍に置いておいた手荷物のバッグが行方不明に。正に踏んだり蹴ったりであった。悪いことはその後も続いたが、ある事を境にぴたっと止まり好転した。

 

その後ホールインワン保険に入り、ショートコースを前にすると間違っても人らないようにと念じっつ、かといってグリーンをはずしたくない複雑な気持ちでショットを楽しんでいる。この次のホールインワンではもっと面白いこと、楽しいことがあるのではと夢想しながら。

 

(2002.10.20 ぼんじゅーる)

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